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生活保護不正受給の本当の被害者

生活保護の不正受給のニュース、よく見かけますね。

収入があるにもかかわらず、受給する、働けるのにもかかわらず、受給する。

簡単に言えば、今あげた詐欺師、怠けものに私たちが汗水たらして稼いだお金を与えているということになり、非常に許せないことですね。

 

ただ、今回は今さらそんな誰もがいうような意見を言いたいがためにこの記事を書いたわけではありません。

先ほどあげた詐欺師や怠け者により本当に苦しめられている人がいるということを一言言いたく、書かせていただいた。

 

もちろん、この詐欺師や怠け者による被害者は、税金を納めている我々も該当する。しかし、実質問題、我々の収めた税金は、どこに使われたかははっきりしないため、生活保護の詐欺師や怠け者の直接的な被害者には当たらないとここでは考える。

 

それでは、この生活保護詐欺師や怠け者の本当の被害者は誰か?

 

それは、おそらく生活保護受給資格があるのに、無理やり体にムチ打って働いているまじめな人ではないであろうか?

 

私の知り合いに、こんな人がいた。

ある女性Aさんには、14歳の息子、13歳の息子、11歳の娘の三人の子供がいた。

夫は、夫が膨らませた借金により借金だけ残し、行方をくらます。借金は運よく夫が側の親が全て払ってくれたそうだが、Aさんは結婚してから15年ほど専業主婦をしていたため、職場復帰するにも、せいぜい月8万円程度のパートしかできなかった。国からは児童手当等は一応支給されたが、それも微々たるもので、手当とパート代を合わせた月12万円程度の金額で、子供三人を育てなくてはならないという状況であった。ちなみに、夫の行方は分からないため、当然養育費等は受け取れない。また、兄弟もおらず、両親もすでに他界していた。

 

詳しい受給資格についてはここでは割愛させていただきたいが、当然Aさんには受給資格はある。

しかし、Aさんは申請しようとしなかった。なぜなら、毎日のように報道されていた生活保護の不正受給のニュースから、働けるのにもかかわらず、生活保護を受給することに対する罪悪感が生まれたこと。また、生活保護をもらうこと自体が悪であるといった世の中の空気を感じてしまったことがあげられる。

 

ここで一つ言っておきたいことがある。

 

生活保護を受給すること自体は、全く持って悪ではないのである。

憲法25条にあるように、日本国民はみな最低限度の生活をする権利があるのである。

 

Aさんに限らず、生活保護を受給することが悪であるといった世の中の空気を感じ取り、無理して働き、最低限度以下の生活をしている人はおそらく多くいるだろう。

 

たしかに、生活保護を不正受給する詐欺師や、しっかりと働けるだけの条件がそろっているのに受給している怠け者は、大いにバッシングされるべきである。

しかし、そういった人物は、ごく一部の例であり、そのせいで生活保護を受給すること自体悪いことであるといった空気を流すことを辞めるべきである。

 

生活保護不正受給の本当の被害者は、生活保護を本当に必要としている人たちである。

そのことを、少しでも理解していただければ幸いです。