暇人の暇人による暇人のためのつぶやき

思い立ったことをただただつぶやきます

インタビューから見える斎藤祐樹と田中将大の差

 今年もプロ野球のキャンプが始まり、各球団、1年間の長い戦いに向け日々鍛錬を重ねる。筆者は毎年この時期になると、スポーツニュースで各チームの各選手の仕上がり具合を見るのが非常に好きである。球界を代表する選手はもちろん、注目の新人、新外国人の動向、また、昨年までは全くの無名だった選手が紅白戦で大活躍したなどといったニュースを見ると、非常にわくわくしてくるものだ。(このワクワク間の割には、シーズンに入るとあまり熱心に試合を観なくなってしまうのだが、、、)

 そんな中、ここ数年キャンプの風物詩とも言える報道が今年もまたされている。

 「今年こそハンカチ王子完全復活か?」

といったものだ。世間の批判とは裏腹に、ハンカチ王子押しだった筆者も、さすがにもういいだろう?と思い出す今日この頃。確かに、高校、大学初期の頃はすばらしい実力を持っている選手であった。しかし、もともとはそれほど注目されていなかったところ、下手に歴史的な試合を演じて全国制覇をしてしまい、一気に注目されるようになり、その影響から大学ではフォームに力みが生まれ、その影響からか怪我をしてさらにフォームを崩し、プロに入った頃には並以下の投手になってしまう。「自分は持っている」という発言をしていたが、結果として「持ちすぎ」てしまい、メディアに選手生命をつぶされてしまうというなんとも皮肉な結果になってしまったのである。高校最後の大会初戦、都立昭和戦の相手投手のなんともないピッチャーゴロのトンネルが無ければ、もしかしたら全く注目されること無く大学に進み、そのまま順調に成長し、今頃マー君やマエケンと肩を並べられていた可能性もあったのかと思うと、なんとも歯がゆい。

、、、と最近まで筆者はハンカチ王子をメディアに潰された「不幸な選手」であると思っていた。しかし、何気なくハンカチ王子のことを検索していたら、非常に興味深い記事にめぐり合った。

 

matome.naver.jp

 

 この記事は、かつてはライバルといわれたが、今では比べるのが失礼なほど差がついてしまった、マー君とハンカチ王子のインタビューでの発言が対照的な形で載せられていた。この記事を観てみると、普段からの両者の「意識の違い」が明確に見えてきた。

 

 

 

目的意識の明確さ

 

田中将大「(ニューヨークで)最初に食べたものは近くのスーパーのお寿司です」

ニューヨーク・ヤンキース入団会見の時の発言。「ニューヨークで最初に食べたものは?」との質問

 

斎藤佑樹「あっカレラ ポルシェ!カイエン乗りてぇ

某テレビ番組での1シーン。

 

 メジャー入団初年度、アメリカに来て、多少なりとも舞い上がってしまってもおかしくない状況でも、田中は「メジャーで結果を出すこと」にしか興味を示していないことが、この発言から読み取れる。一方斎藤は、高級車や高級住宅などに目移りし、田中のように「野球で結果を出す」という目標よりむしろ「野球で稼いでいい暮らしをする」という点に焦点が移っているようにも思われる。それをモチベーションにして練習に励むということが悪いわけではないが、「野球そのもの」を目標にしている田中と比べたら、少々ブレている様にも見える。

 

 

田中将大「これからも努力して結果を出し私を信じてもらえるようにする」

2014年5月、ニューヨーク・メッツとの試合で9イニング4安打8奪三振無四球無失点を記録した際。

 

斎藤佑樹「将来は政治家になりたいと思っています」

早稲田大学3年時の発言。大阪・茨木市早稲田摂陵中・高を訪問し、応武篤良監督とともに講演・交流会を行い将来の夢を語る。

 

斎藤佑樹「30歳になったら、40歳になったらどうかということは誰にもわかりませんし、そのための大学4年間だったと思っています。そこには僕、けっこう自信を持ってるんです」

インタビューで田中将大の存在について問われた際に。

 

 さらに2人の目的の明確さの差が見える発言が、ここに表れている。田中は、メジャーで完封というすばらしい結果を出した後も一喜一憂せず、「メジャーで結果を出す」という目標に向かいブレることが全くない。一方、斎藤は、野球はおろか、「将来の夢は政治家」といったり、「数年後はどうなっているかわからないからその保険として大学に入った」など、なんとも目標がブレブレの様に感じる発言をしている。ただでさえ、生き残ることが厳しいこの世界で、引退後のこと、もしだめだったときの事などを考えている様では、たとえどんなに優れた才能を持っていたところで、大成するのは難しいだろう。

 

明確さは力である。自分が求めていることを明確にすることは、実際にそれを手に入れる第一歩である。

「成功の9ステップ」(ジェームス・スキナー著)より引用

 

 

謙虚さ

 

楽天時代、10回4安打1失点という内容に「(七回1死まで)ノーヒットで来ていて、ヒット打たれて、 点を取られてしまうのがまだまだ未熟。情けない」と、引き分けにも笑顔ひとつなく悔しがったという。

 

斎藤佑樹「(二軍で)11点取られた結果が全部(僕が)悪いということにすると、やりたいことがぶれてしまう。進んでいる方向は間違いない」

二軍の試合に先発し、6回途中10安打自己ワースト11失点(自責7)でKOされて。

 

 

 10回1失点という素晴らしい投球をしたのにも関わらず、負けたときは自分の責任であると謙虚に受け止め、改善に努めようとする田中に対して、11点取られたことをその試合でマスクを被っていた大嶋や中島のせいにする斎藤。自分の悪い部分を謙虚に受け止め、その部分を改善していくことが、成功へ向けての第一歩である。大きな目標に向けての改善は、決して「ブレ」ではない。斎藤は、自分の失敗を周りにバレない為の言い訳として「ブレ」という言葉を使っているに過ぎないように思われる。

 斎藤に必要なことは、まずは過去の栄光を全て捨て、現状をしっかりと受け止め、より良い方向に改善していくことではないだろうか?

 

改善は永遠なり

改善の価値は無限である

「成功の9ステップ」(ジェームス・スキナー著)より引用

 

 

 

 斎藤はメディアに潰されたとばかり思っていた筆者だが、プロで大成できない理由のひとつは、斎藤自身の心がけにもあるのではないだろうか?

 今後斎藤が活躍する為には、「目標を明確」にして、その目標に向かい「謙虚に」野球に取り組んでいくことが必要になってくるだろう。今年こそ、あの輝かしい斎藤祐樹をもう一度見せてほしいものだ。