2015年再ブレイクできるか?斉藤佑樹の過去と現在
2006年の夏、日本中を沸かせた男斉藤佑樹。甲子園で優勝したのち、早稲田大
学へ進学。そこでも数々の記録を作り、大活躍をした。だれもがそのままプロでもス
ター街道を歩み続けるだろう信じてやまなかったであろう。しかし現実は、たくさん
のチャンスを与えられながらプロ入り4年間でわずか13勝。
かつてのスターにいったい何が起こったのか?映像とともに究明していきたい。
① 2006年夏の甲子園
最近の斉藤の姿から、高校時代も大した実力はないのにただ単に騒がれていただけ
であったのではないかと思うようになってしまっていた。しかし、実際にこの動画を
見ると、やはり高校生離れした実力があったことがわかる。
軸足をまげてしっかりと力をため、そこからスムーズな体重移動、リラックスした
上半身の動きにより、その力を無駄なくボールに伝えることができる。
それにより、今では130キロ台となってしまったアベレージも、140キロ台を
マークし、時には148キロの速球を投げ込むこともできていた。また、変化球のキ
レ、間の使い方、そしてなんといってもこの当時はコントロールが非常に良かった。
これだけの投球をされたら高校生はおろか、プロに入っても球団次第ではいきなり
10勝近く勝てたかもしれない。
② 大学1年時
これは、大学1年生の時に、慶応相手に見事15奪三振を上げ、完封勝利を果たし
た試合である。この年の斉藤は、1年生ながら開幕投手を任され、1年生では史上初
の春秋とベストナインに選ばれるなど、大車輪の活躍をみせていた。
しかし、このころから斉藤低迷の兆候は見えているように思われる。それは、
フォーム全体に全体的に力みが感じられるからである。
甲子園での斉藤は、軸足を曲げてからスムーズに体重移動をしていて、それにより
無駄なく力をボールに伝えることができていた。しかし、大学に入ってから、注目さ
れ続けることによるプレッシャーからか、フォームのスムーズさがなくなり、体重移
動がうまくできず、結果として上体で投げてしまい、高校時代のようなキレとコント
ロールが失われてしまったように思われる。
まあただそんな中でもしっかりと成績を残していたことはさすがとしか言いようは
ないですがね
③ 大学3年時
これは、大学3年時の、プロアマ交流戦での投球フォームです。おそらく、今の斉
藤の低迷は、この年が原因と言っても過言ではないかもしれない。
この年の斉藤は、スピードを求めていたそうだ。おそらく先ほど言ったように、大
学に入ってから無意識のうちに力みが生じ、フォームを崩し、そのことから思うよう
な球がいかなくなってしまい、徐々に打たれ始めてしまうようになる。そこで何を
思ったかその原因を斉藤はスピード不足であると分析してしまう。しかし、スピード
を求めるあまり、さらに力みが生まれ、結果としてこの動画の様に、完全な上体投げ
となってしまったのではないか。
斉藤自身も、この年はスピードを求めるあまりフォームを崩してしまったと語って
いる。
④ プロ1年目
もうこれは誰が見てもわかるように、完全に自分を見失っていますね。
斉藤の最大の長所を生み出していたあの軸足を曲げてしっかりとためを作るという
ことが、跡形もなく失っている。その結果、球のキレもコントロールも全く出ず、並
の投手以下の実力となってしまった。
しかしそんな中でもやはりこの男は何かを持っているのか、小手先の技術でどうに
かこうにか6勝を上げ、新人としては合格点の成績を残した。
ただもちろん、そんな小手先の技術が通用するほどプロは甘くなく、2年目5勝、
3年目0勝、4年目2勝と、周りの投手の何倍もチャンスを与えられているのにもか
かわらず、全く成績を残せないでいる。
⑤ 2014年
そんなすっかりピエロと化してしまった斉藤だが、この男もそのままただ黙ってい
るわけではない。2014年、確かな一歩を踏み出しているのである。
この動画を見ればわかるように、斉藤は全盛期の軸足を曲げてしっかりと力をため
込むフォームに戻そうとしているのである。まだまだ全盛期ほどのためができていな
いため、ボールは全盛期に遠く及ばないが、方向性としては、正しい方向性に進みつ
つあるように思われる。
斉藤もとあるインタビューで、
「今まで自分を見失っていたが、ようやく取り戻せつつある。」
と語り、さらに
「高校時代は感覚で投げていたが、今は高校時代のフォームをしっかりと理論的に考えて理解しながら投げることができている」
と語っている。これはついにハンカチ王子の復活となるのか?
そこで最後に、斉藤佑樹の今シーズンの成績を勝手に予想してみます。
9勝8敗 防御率3.88
期待を込めて、少し贔屓目に予想しましたが、斉藤がかつての実力を取り戻して
しっかりと成績を残せるようになれば、日本球界もますます盛り上がっていくことで
しょう。