大して仲の良くなかった高校の同級生からの謎のセミナーへの勧誘がしつこい今日この頃
数年ほど前のちょうどラインが広まり始めたころ、とある高校の同級生(Aとする)から、
「久しぶり!友人欄に筆者の名前が出てきて懐かしくなったから連絡しちゃった!笑」
のようなラインが送られてきた。初めは何とも思わず、無難近況報告などをしあっていていた。そしてその流れでAから「今度飯でも行こうよ!」との誘われた。その時はAに対しての不信感は全くなく、時間が合えばぜひ行きたいと思っていたのだが、ちょうどその時期は仕事も繁忙期で、なかなか予定が合わず、行くことができなかった。
その後、一月に一回くらいのペースでAからご飯の誘いが来たが、毎度毎度何らかの理由でいくことはできなかった。
Aの態度が急に変わりだしたのはほんの1年ほど前。某月の金曜日の夜10時ごろにいきなりAから電話がかかってきた。
「明日ものすごい人のセミナーがあって、本当は行きたくても行けない人がほとんどなんだけど、さっき急遽1席キャンセルが出たから、筆者にぜひ来てもらいたいなあと思うんだけど、どう?」
みないな内容のことを言ってきた。不信感を覚えたのはそのころからだった。いろいろと突っ込みどころはあるが、とりあえず、なぜ高校時代対して仲が良かったわけでもなく、さらに言えば現在も数か月に1回程度しか連絡を取っていない人物にそのようなすごいセミナーを誘うのか?これはなんだか怪しいぞ。そう思い、そのセミナーの時間は空いていたが、適当な理由をつけて断った。すると、Aは
「なんでこんな貴重なセミナーいかないの?行けば絶対に人生が変わるよ?そんなセミナーより重要な予定なんてある?」
のように、今までのAからしては想像できないほど強気で攻めてきた。これは怪しい。もうこの先Aとはかかわらない方がいいな。そう思い、私は断固としていく気はない態度を取り続けた。するとAはあきらめ、最後に
「あっそ。もったいない。もう~(他の同級生)誘うからいいや。もう筆者は誘わないから。」
と捨て台詞をはいて、電話を切った。
非常に不快になった私は後日、Aと私との共通の知人(B)と会った際に、このことを全部話してみた。すると、Bはすべての事情を知っており、その全貌を教えてくれた。
Bによると、Aは、「ニュースキン」という会社の会員になっているらしい。「ニュースキン」とは、簡単に言えば、「マルチ商法」を行う団体らしく、会員が収益を上げるためにはたくさんの人を勧誘しなければならず、Aは必死になって勧誘活動を行っていたそうだ。
■ニュースキンの報酬の仕組み
ニュースキンの報酬の仕組みもアムウェイととてもよく似ています。
まずは自分が直接販売することが出来ます。しかしこれは代理店的な動きに過ぎないのですぐに限界が来てしまいます。
ここでマルチ商法的な動きが始まります。つまり「ディストリビューター」といういわゆる「子ども」を作っていくのです。
子どもが商材を売れば、あなたにもインセンティブが発生する仕組みになっていますが、更にその下、子どもが更に子どもを作る、いわゆる孫を作っていき、その孫が商材を売れば、そこからもあなたにインセンティブが入ってきます。
基本的にネットワークビジネスは、アムウェイやニュースキンに限らず、この行程式が当てはまるので、人脈を作らないと大きな収入は得られないことになります。
さらに「ニュースキン」には、「ノルマ制度」のようなものがあり、毎月数万円ほどニュースキンの商品を購入しなくてはならないらしい。
ディストリビューター登録をするとスポンサリングができ、ダウン(子ども)を増やすことができます。
ニュースキンはアムウェイと同じように、購入した金額をポイントで表しますが、1ポイント=126円(税込み)で、自分で購入したポイントの総額をPSV、自分のダウンが購入したポイントの総額をGSVと呼んでいます。
ディストリビューター登録をした方は、製品を卸値で購入することができるので、商品価格を自分で設定して顧客に再販することで、差額分が利益として得られます。
まあこれは普通の物販と全く同じです。
それとは別に「L1ボーナス」というものもあり、自分のダウンが購入した製品の総額(GSV)の5パーセントを得ることもできます。このボーナスは何人からでも受取ることが出来ます。
ただしL1ボーナスを得るには条件があり、自分が一ヶ月で100PSV(12,600円)を購入していないといけません。
この利用法は自由なので、単純に自分に使ってもよいですし、小売販売で友人に販売するのもありです。
つまりノルマがあるということですね。http://u-wallet.2nd-work.biz/nuskin-kenrisyunyu.html
Bの話によるとAは、「ニュースキン」を本業として生活しようとしているがうまくいかず、いまだに親のすねをかじって生活しているそうだ。その状況をどうにか打破しようと、必死になって周りの知人を勧誘しているらしい。ただ、普通に勧誘したところで誰も入ってはくれないので、まずはセミナーに呼んで、そこで話のうまい人の話を聞かせて、洗脳させるという狙いがあったそうだ。そのことは同級生、さらには直近の先輩後輩の間では有名な話になっているらしく、すでにAは多くの友人を無くしているらしい。そのため、「もう誘わない」と私に行ってきたのにもかかわらず、いまだに月数回私に電話やラインが送られてくる。もちろん、すべて無視しているが。
たしかに、中には「ニュースキン」で成功して月収数百万円を稼いでる人もいるらしい。ただ、それは「ニュースキン」の商法ができ始めてまだ世間には広まってないころに始めたほんの一握りの人のみ。そんなほんの一握りの成功を目指してお金も友人もなくす。
ただ逆に言えば、そのような冷静な判断ができなくなるまで洗脳する「ユースキン」の手法は非常に恐ろしいものだと思われる。
Aのような洗脳された人物を見て、ただ単に「馬鹿な奴だ」と思うのではなく、「明日は我が身だ」と気を引き締めることにより、急な勧誘や誤ってセミナーに参加させられた際に冷静な判断ができるようにしておくことが、私たちが被害を受けないための最善策なのではないだろうか。