暇人の暇人による暇人のためのつぶやき

思い立ったことをただただつぶやきます

テレワークを妨げる「ハンコ文化」 そもそもなぜ日本にハンコ文化は根付いた? ハンコの将来は?

 新型コロナウイルスの感染防止策として、企業へのテレワークが推奨されております。ただ、実際にテレワークへ移行できている企業は、全体の%にしか満たしておりません。

 もちろん、職業によっては物理的に現場に行かなくては仕事ができないというものもありますが、オフィスワークなど、工夫次第ではテレワークができるのに実施していない企業が数多くみられます。

 その要因の一つとして挙げられるのが、「ハンコ文化」となります。

 日本の多くの企業では未だに、何か承認を得る際は、原本に上司の印鑑を押してもらうという工程が含まれております。

 これにより、テレワークにしてしまうと、上司からの承認を得ることができず、仕事を進められないという事態が発生してしまうため、やむを得ずオフィスに出社することとなるのです。

 

 このように、非常に非効率的とも思われるハンコ文化ですが、そもそもなぜ日本にはそのような「ハンコ文化」が根付いているのでしょうか?

 そのルーツとともに、諸外国の文化、「ハンコ文化の将来」について調べてみました!

 

 

●なぜ日本には「ハンコ文化」が根付いているのか?

 

 1873年に印鑑登録制度が制定されたことが始まりだそうです。

 これは、重要な契約時には必ず署名と合わせて、捺印するというものです。

 当時、欧米のサイン文化も検討されましたが、中国の官印制度を見習う形で「ハンコ文化」を取り入れたそうです。

 その流れから、民法や法律にも捺印の必要性が定められており、例えば遺言状は自筆の署名と捺印が必要であることを民法968条で規定しています。

 

●「ハンコ文化」を根付かせた「紙社会」

 

 

 例えばビジネスにおいて書類を大量の紙で作った際、誰が作ったのかを一目見てわかるようにしなくてはなりません。その際、大量の書類にサインをするのには骨が折れるため、比較的労力の少ない「ハンコ」を使用します。

 このような形で、昔の日本では業務の効率化を図ってきました。

 ただ、それはあくまで業務を紙で行わざるを得なかった時代の話です。

 今はあらゆることの電子化が進み、工夫次第ではほとんどのことがペーパーレスで行うことができるのです。

 その「紙社会からの脱退」に乗り遅れた企業が、今なお「極度なハンコ文化」を継承し、現在の社員の生命を脅かすような緊急な状況においても出社をせざるを得ない状況を作っているのかもしれません。

 

●諸外国における「ハンコ文化」

 

 印鑑登録制度があるのは、世界で日本、台湾、韓国だけだそうです。

 現在、印鑑登録制度を取り入れているのは、日本と、統治・併合時代に日本から導入した台湾、韓国以外にはない。中略

韓国では、日韓併合時代から印鑑登録制度が100年余り続いたが、ハングルは画数が少なく偽造しやすいことなどから、2014年までに段階的に全廃する法案が提出された。ただし、業界団体の反対等で先延ばしになっており、まだ全廃には至っていないようだ。それでも、廃止は時間の問題と見られ、近年はサインと電子認証が普及し始めている

引用元:https://www.newsweekjapan.jp/nippon/season2/2019/02/230935_2.php

 

●「ハンコ文化」の今後

 

 それではこの先、「ハンコ文化」はどのようになっていくのでしょうか?

 

・「ハンコ文化はナンセンスだ」 経団連会長 中西氏

中西氏は「ハンコ屋さんには怒られるかもしれないが、私は海外生活も長かったのですべて署名でいい」と指摘。「電子署名でもいい。ハンコは美術品で構わない」とし、企業や行政のやり取りをデジタル化するよう訴えた。

引用元:https://r.nikkei.com/article/DGXMZO58536970X20C20A4EE8000?s=4

 

・「できるだけ省いたほうが」 議連会長の竹本IT相

 

ハンコ文化が在宅勤務テレワーク)の壁になっている問題で、これまで業界寄りの発言をしていた竹本直一IT相が態度を変えた。24日の閣議後会見で「ハンコのために会社に行くと公共交通機関の中で密の状態が発生する。できるだけ省いた方がいい」と述べ、押印のための「やむなく出社」はやめるべきだとの認識を示した。

引用元:https://www.asahi.com/articles/ASN4S6F6QN4SULZU00S.html

 

 このように、「脱ハンコ文化」へ向けての意見が出てきておりますが、同時に、「脱ハンコ文化」へ向けての課題も上げています・

 

・自社だけ「脱ハンコ」を行っても、取引先が行わなければ成立しない

 

 「どういう場面で支障になっているかというと、民・民の取引で支障になっているケースが多い。Aという会社がハンコを省略したくても、Bという会社がOKしないという状況なんだろうと思うんです。なのでそこは民・民だから話し合っていただく以外ないのかな」

引用元:https://mainichi.jp/articles/20200427/k00/00m/040/104000c

 

・ハンコ業界の反発

 会社の設立手続きを簡素化し、「24時間以内に会社をつくれるようにする」というのが政権の成長戦略の旗印だ。これに沿って政府は、印鑑届け出をかならずしも必要としない制度改正を進めようとしていた。そこに待ったをかけたいハンコ業界が、政府に対して説明会を開くよう求めたのだ。 中略

 「急な制度改正で業界は大打撃だ」など、参加者からは反発の声が相次いだ。

引用元:https://www.asahi.com/articles/ASMD35R5MMD3ULZU00D.html

 

 

 このように、色々な意見はありますが、重要なことは、時代に合わせて最善な方法を見出していくことであると思います。

 「ハンコ文化」についても、デジタル化が進んでいない時代にとっては非常に有用な文化であったと思いますが、デジタル化が進んでいる今、時代に合わせて進化していく必要があるのではないかと思います。

 「ハンコ」と「デジタル」が組み合わさった、新しいより良い文化として進化していくことを、願います。