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都立昭和、早実を破る!! 「10年越しのリベンジ」果たす

 平成28年春季東京都高校野球大会の二回戦で、大波乱が起きた。

 昨夏、「スーパー1年生」の清宮を擁して甲子園ベスト4まで勝ち上がった早実が、都立昭和高校に2-6で敗れたのである。昭和も、都立の中では非常に実力があり、毎年東京都の中では上位に顔を出すほどだが、清宮をはじめ、昨夏の主軸だった金子、リリーフとしてフル回転していた服部、吉野等を残すチームを破るのは、とてつもないことである。

 見事「大金星」を挙げた昭和だが、実はちょうど10年前の夏も、後一歩のところで「大金星」、いや、そんなたやすい言葉では表現できない、その後の歴史を変えるほどの「大金星」を後一歩のところで逃していたのである。

 

 

ハンカチ王子」を擁して神がかり的な強さを見せていた2006年の早実

 

 2006年夏といえば、「ハンカチ王子」こと斉藤祐樹を擁する早実が、現ヤンキー

スの田中将大を擁して夏の甲子園3連覇を賭けた駒大苫小牧との決勝再試合を制し、社

会現象ともなった年である。この年の早実は、現日本代表4番の中田を擁する大阪桐蔭

を11-2で下すなど、神がかり的な強さを見せていた。近年の早実の中では間違いな

くNo.1のチーム力を誇っていただろう。

 

ハンカチ王子」を後一歩まで追い詰めた都立昭和!!

 そんな神がかり的な活躍を見せた大会で一番最初に戦ったのが、都立昭和だったので

ある。もちろん、当時から昭和は実力校の一つであった。この大会も、初戦で同じ都立

の実力校である小平西にコールド勝ちをして、勢いに乗っていた。

 しかし、戦前の予想は、「エースの斉藤」(このときはまだハンカチ王子とは言われ

ていなかった)の活躍により選抜ベスト8という実績を残して堂々と凱旋した早実の圧

勝であると言われていた。というよりむしろ、早実が勝つことは前提で、どれほどチー

ムとして仕上がっているかを見る為の試合であったといえよう。

 だが、試合が始まってみるとその前評判は一転。昭和のエース、村木の低目を丁寧に付く投球に、あの早実打線が打ちあぐね、また、昭和打線も斉藤の球威に押されながら

も必死にくらいついていき、気が付けば8回裏終了時点で2-2と同等以上に渡り合っ

ていた。

 

明暗を分けたたった一つのミス

 これだけの打線を相手に8イニングを投げ、さすがに疲れが見えてきた昭和のエース

村木。この回先頭の斉藤にヒットを浴び、続く小澤に送りバントを決められ、一死二

塁。続く白川を何とか押さえるも、次の打者はこの日2安打を放っている内藤。通常な

ら、2塁ランナーが8イニング投げている投手で、打席にはこの日当たっている選手が

いるのだから、ここは動かず打者に全てを託すという選択をする場合が多いと思われる

が、ここで早実ベンチは動く。2ストライクと追い込まれた後、2塁ランナーの斉藤を

走らた。その際の投球に内藤は手を出す。結果は、打ち損じの投手前のゴロ。しかし、

村木はこのゴロをはじく。スタートを切っていた斉藤は、勢いそのままに本塁へ突入。

遊撃手がバックアップに入り、決死のバックホームをするも、捕手がボールを落とし、

判定はセーフ。結局、この1点が決勝点となり、昭和は2-3で敗れたのである。実際

に球場にいたものならわかるが、ここを抑えていれば勢いそのままに昭和がサヨナラ勝

ちをしてしまうような雰囲気が球場全体に流れていただけに、非常に悔やまれるミスで

あった。もしここで昭和が勝っていれば、「ハンカチ王子」という言葉は生まれてなか

ったのかもしれない。しかし、このミスを誘発したのは、間違いなく斉藤のスタートで

あり、斉藤に走らせるほどあの「最強世代」の早実を追い詰めたのは、お見事であっ

た。

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10年越しのリベンジに成功!!

 そして本日、ついにあの悔しさの無念を晴らすことに成功した。

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 しかも、10年前は「ハンカチ王子」というスターを擁したチームであったが、今回もまた「清宮」というスターを擁しているチームである。非常に強い因縁を感じるのは筆者だけだろうか?