野球賭博が問題となっているが、そもそもなぜ賭博は禁止されている?
福田に始まり笠原、松本竜也、そして高木京介といった将来巨人を背負うべき投手達が野球賭博をしていたことが発覚し、次々と事実上野球界を追放された。(高木に限れば1年間の資格停止処分で済んだ為、何らかの形で野球界に復帰する可能性は十分あるが)
ちょっとした出来心から今までの努力を全てふいにしてしてしまった彼らは、自業自得といえば自業自得だが、少し同情もする。この失敗を糧に、第二の人生で花を咲かせて欲しい。
ところで、連日のように野球賭博問題が報道され、当該選手はもちろん、巨人軍、終いには野球界まで批判されているが、そもそもなぜ賭博は日本で禁止されているのかという疑問がふと浮かんだ。もちろん、筆者は賭博等行っていないし(合法のものも含む)、今後やろうとも思わない。賭博自体はいけないことであるということもわかっているが、仮に小さい子供に、
「なぜ賭博をやってはいけないの?」
等と質問されることがあったら、しっかりと回答できる自信はない。いい機会だし、調べてみることにした。
・「勤労の美風」を損ない、国民経済に悪影響を及ぼすから
働くことをせず、ギャンブルで生計を立てようとする人が増えることにより、堕落した人間が増える。それにより、国の税収が減ることはもちろん、生活保護受給者の増加や多額の借金をするもの、しまいにはギャンブルの資金集めに犯罪に走るものが現れる等、ギャンブルを合法化すると、ギャンブルを行っていない国民にまで悪影響を及ぼす可能性があるということだろうか。
・ギャンブル依存症に陥る
ギャンブル依存症(gambling addiction、ギャンブルいそんしょう、ギャンブルいぞんしょう)とは精神疾患のひとつで、賭博(ギャンブル)に対する依存症である。ギャンブルを渇望する、ギャンブルをしたいという衝動を制御することができない、ギャンブルをするせいで借金など社会生活上の問題が生じているにもかかわらずやめられない、といった状態が繰り返され、身体的、心理的、社会的健康が害されたり、苦痛であったりする
ギャンブルは勤労でお金を稼ぐのとは違い、努力をせずに多額のお金を得られてしまう可能性がある。それがたとえ総額としてマイナスであろうとも、勝ったときの快感が忘れられず、また勝つまでやり続けてしまう。その結果が、先ほどもあげたような「国民生活に悪影響を与える人間」を形成することとなってしまう。
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・日本で認められている賭博の位置づけは?
ギャンブルは駄目人間を形成して国を滅ぼしかねないという理由で禁止されているということはわかったが、それでは一体日本中のあらゆるところに乱立しているパチンコ店や宝くじ売り場、また、競馬や競艇などはなぜ許されているのか?これらも十分駄目人間を形成する可能性があるとは思われるが、、、、
・公益を目的としたものは認められる!
もともとの賭博を禁止とする理由のひとつとして、「勤労者が減り、税収が減る」といった理由があったが、その掛け金自体が公共の利益となるのなら、確かに認められても良いのかも。ただ、運営者が公営にしろ民営にしろ、ギャンブルを行う人自体がギャンブルにどっぷりとはまってしまえば、その人は勤労の意欲をなくし、借金を重ね、終いには資金集めのために犯罪を犯す等といった、国の害になる人間を作ることには変わりはないとは思われるが、、、
また、そのような人間は借金をするにも収入が無い為一般的な消費者金融から借りることは困難であり、残されたのは反社会的組織が運営している、通称ヤミ金から借金をすることなり、反社会的組織を潤す可能性が出てしまうのでは?
・パチンコは民営だがなぜ許される?
100歩譲って、競馬や競艇等はその収益を公共の利益のために使われているから許されるということはわかるが、それでは一体民営のパチンコはなぜ許されているのだろうか?よく、パチンコは一旦パチンコ玉を他の景品に換えてから、それを買い取ってもらっているから許されているという答えがあるが、数十年前まで直接換金していたこともあったらしく、どうやらパチンコが許される理由はこのことだけではなさそうだ。
それでは一体、日本においてなぜパチンコは許されているのだろうか?
その理由は、以下の通りであるそうだ。
1、税金を払っているから
2、バックが朝鮮総連だから
3、戦後55年体制で当時の社会党を財政的に支援していたから。
4、景品交換所を経営しているのは警察官OBだから(天下り先になっている)
話が少し逸れるが、筆者は昔、中国の大連に数年間暮らしていたことがある。中国では、性的サービスを提供する店、すなわち風俗店は全面禁止されている。ただ、実際に中国の街中を歩くと、街のいたるところに風俗店(名目上は洗浴という風呂屋)が乱立しており、凄いところになると警察署の隣に堂々と店を構えていたのである。現地の人いわく、賄賂さえ払えば、警察は黙認してくれるとのこと。風俗店のみならず、ちょっとした犯罪ならば、警察が来てもチップの金額次第で許してくれるらしい。たしかに、当時の私のルームメイトは、中国在住中にパスポートをなくし、再発行の手続きをしようとしたところ、罰金5万元もくは日本へ強制送還するとまで言われたが、後日、彼が知り合いの某大企業の幹部に頼み、口を利かせたところ、パスポートの再発行手数料の500元を支払っただけで再発行してくれたのだ。
なんともバカらしい話だと思っていたが、日本におけるパチンコ店も、結局は警察やその他発言力のある組織との癒着による黙認の部分が多く、あまり中国のことをバカにできないのではないかと思う。
・ギャンブルを有益なものにする為に
ここまでギャンブルに対する否定的な意見しか書いてこなかったが、その収益が公共の利益になるのならば、「純粋な節度ある娯楽」として認められても良いのではないかと考える。ギャンブルを「純粋な節度ある娯楽」とする為の方法として、以下の方策を考える。
・ 日本に存在する全てのギャンブルに共通する「会員カード」を作成し、そのカードを保有していないものは一切会場に立ち入ることはできない。
・「会員カード」を作成する為には、クレジットカードと同等の審査を通らなくてはならない。収入に応じて、カードのグレードが異なる。
・賭博行為を行う際は、会員カードを提示しなくてはならず、カードのグレードに応じて、一月の掛け金の限度額を設定。
・賭博行為を含まない競馬や競艇等の観戦は、会員カードを持たなくても自由にできる。
この、賭博の「会員カード制度」を行うことにより、掛け金による収益を得ながら、国の害となる人間の形成を妨げることができるのではないだろうか?
なにはともあれ、ギャンブルは度を過ぎると、自分の人生をめちゃくちゃにするばかりでなく、他の国民にも害を及ぼす結果となってしまう為、ほどほどに楽しむ程度に行うことが一番であろう。