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もうひとつの甲子園「センバツ応援団賞」

 第88回選抜高校野球大会も7日目を向かえ、毎日熱戦が繰り広げられている。

 「普段はあまり野球を観ないが、甲子園だけは観てしまう」という人が数多くいることからわかるように、甲子園での球児の全力プレーからは「野球を超えた何か」があるのだろう。

 ところで、甲子園といえば当然野球ばかりに目が行ってしまうが、この熱戦の裏側でもうひとつの熱戦が繰り広げられている。それは、甲子園の熱戦を盛り上げてくれるどちらかといえば脇役的な位置付けになる「応援そのもの」を争う、「センバツ応援団賞」である。

 

 

センバツ応援団賞とは?

 

センバツの閉会式で最近、制服を着た高校生が何やら盾をもらって、表彰を受けているのはご存知ですか?
 これは「応援団賞」という賞の表彰で、1998年(第70回)から始まった、センバツ独自の賞です。対象となるのは「初戦の各チームの応援団」。要は、初戦のアルプスの応援がどれだけ良かったかというのを主催者が審査して、優秀賞5校と最優秀賞1校を決定。閉会式に発表され、最優秀賞校の応援団長が表彰されるものです。審査基準はアルプスでの応援態度や、まとまりが中心ですが、試合後にごみ拾いなどをちゃんとしているかも審査の対象となります。初戦の応援の様子だけで判断されるので、言わば「一発勝負」。失敗は許されません。
 しかし賞自体は栄誉ではあるものの、これは閉会式で発表されるだけ。主催者の毎日新聞紙面にすら載っていなかった年もあり、かなりマイナーな賞と言えるでしょう。

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 応援の良さはもちろんのこと、態度やマナーもみられる、まさしく日頃の行いが全て評価される非常に栄誉ある賞であるようです。また、初戦敗退のチームも優勝したチームも、評価の対象となるのは1回戦での応援の1回のみであり、その点もまた面白いところですね。

 

歴代最優秀賞

 

2012年 宮崎西(宮崎)(初戦敗退)

 

 

 

2012年

 

宮崎西高校は、県内でもトップクラスの進学校で、授業が毎日朝7時半から7間までみっちり行われ、さらに一日の自宅学習のノルマが平日3時間、土曜4時間、日曜6時間と定められていることで、野球の練習はせいぜいできて1時間ほどであるという。そういうことは当然、応援の練習をする時間もそれほど取れなかったであろうことが予測できる。そのような中で全32校のトップをとるということは、並大抵のことではない。

 

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2013年 土佐高校(高知)(初戦敗退)

 

 

 この年の土佐高校は、兎に角マナーがよく、徹底した全力疾走も行っており、あらゆるところから「高校球児の鏡」と評価されていました。その姿勢はアルプスにも同様に現れ、見事栄誉ある賞を受賞しました。野球部のみならず、学校全体としての教育が素晴らしいのでしょう。

 

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2014年 大島(鹿児島)(初戦敗退)

 

 

 

21世紀枠で奄美大島から初の甲子園の土を踏んだ大島高校。野球の試合は残念ながら初戦で優勝した龍谷大平安に大差で敗れましたが、応援では見事に勝利。後付になりますが、この試合は応援の優勝校と野球の優勝校による「チャンピオン対決」となりました。

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2015年 豊橋工(愛知)(初戦敗退)

 

 

 

 公立高校ながら激戦区の愛知県大会で見事に3位に入り、東海大会に出場。東海大会では早々に敗れたが、恵まれない練習環境で、更に文武両道を実現する姿が評価され、21世紀枠で出場。また、当校にもっとも感心させられるのが、正月に部員全員が郵便局でアルバイトをし、その稼いだお金を遠征日に当てていたということですね。

 応援はというと、アルプスをオレンジ色に染め上げた「みための美しさ」と「一体感」「礼儀正しさ」が評価されたそうです。

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 ここ数年の傾向を見ると、応援団賞を獲得するチームは、21世紀枠で出場している高校が多いようですね。それもそのはず。そもそも21世紀枠に選ばれる高校は、ある程度の野球の実力はもちろん必要だが、それ以上に「普段の行い」のほうが重視されているからです。「応援団賞」の評価基準は、21世紀枠の評価基準に非常に似ている為、21世紀枠のチームが有利であることは必然的なことですね。

 果たして今年はどの高校がこの栄誉ある賞を取得するのか?甲子園を観る際は、その点も含めて観てみるとまた違った楽しみ方ができるのではないでしょうか。